生きる力のベース
ぴ−すらんどでは、それぞれの年齢に応じた精神発達表を保護者様にチェックしていただき、できないところに対してどのように係わるか、また、できるようにしていくことの大切さを常々懇談などを通してお話しさせて頂いております。 今月は、精神発達表と重複する部分もありますが、日々の生活においてお母様やお父様に意識して頂きたいこと、また、少しずつできるようにしていただきたいことを具体的に挙げてみました。これは、幼稚園児を対象に書いておりますが、小学生でもできていないお子様もいらっしゃいます。 幼稚園年長児以上であれば、「当たり前のこと」として捉え、「生きる力」の土台となる部分であると考えます。そして、この中には、就園前児にも、やらせてみればできることがたくさんあります。自分のことが自分でできるようになる(歩き始める) 1歳過ぎから、ご両親様が意識を持つことによって、お子様にとっては、「当たり前」のこととしてできるようになっていくことだと考えます。 1.食事に関して: ?自分で最後まで食べられる ?食事の内容によって、フォ−ク、スプ−ン、お箸の使い分けができる ?お箸がうまく使える ?「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶が促されなくてもできる ?こぼしたものの処理や手の汚れなどの処理が促されなくてもできる ?自分で食べたものの片付けができる 2.整理整頓に関して: ?自分で使ったものについては、自分で片付ける ?いつも決まった場所に片付ける ?本の片付けについては、背表紙が見えるように、同じ種類の本を並べる ?着ていたものの処理ができる(畳んで片付ける、洗濯機に入れる等) ?傘の処理ができる(傘立てに立てる前に自分で丸められる等) 3.清潔に関すること: ?排泄は自分ですべて処理ができる ?手洗い・うがいについては促されなくても習慣付いている ?歯磨きについても促されなくても習慣付いている ?掃除について、どのような時(ところ)で何を使うかが大体わかる ?自分で鼻が出ていることに気づいて、かむことができる 4.衣服の着脱に関して: ?自分ですべてできる ?暑い・寒いを自分で感じて、衣服の調節ができる 5.幼稚園生活に関して: ?持っていくものの準備は親の指示がなくても1人でできる(そのためには、曜日の理解が必要 です。) ?自分の荷物は必ず自分で持つ ?名札があるようなら、着脱が自分でできる(家に帰ったら外すという状況判断も含めて) ?ハンカチ・ティッシュを身につけ、状況に応じて使える 6.運動面に関して: ?できるだけたくさん歩く ?なわとび、ボ−ル、公園や幼稚園の遊具などにたくさん触れる ?バランスをとる遊びを入れる(高いところを歩くなど) ?ジャンプする遊びを入れる(ケンパや高いところから飛び降りるなど) 7.その他: ?ご挨拶は促されなくても自分からできる ?ありがとう、ごめんなさいが言える ?足が届かない椅子に座ったときに足をブラブラさせない ?机に肘をつかない ?机に向かって座っている時に、ゴソゴソと動かない ?話す時・聞くときは、目を合わせて話す・聞く ?名前を呼ばれたら、顔を見て「ハイ」と返事をする ?早寝・早起きの習慣 以上は、小学校受験を希望される方の場合は、絶対にできるようにしておきましょう。また、受験されない方でも、読んでいただければ「大人であれば、当たり前のこと」として感じられ、できるように親が心 がけるべきことです。これらの事ができることで、お子様自身も家庭以外の場所に置いて不安なく過ごす ことができます。また、できるようになる過程で、けじめを知り、忍耐力や思考力がつき、それに伴って 強い精神力が育ちます。そして、小学校生活が始まると、先生のお話をしっかりと聞き、自分で宿題と 翌日の準備をし、親としては、とても楽な状況になるでしょう。 いつまでたっても一人でできるようにならない場合は、親の過保護が背景にあるわけですが、手出し口出 しが多いから(親がしてしまっているから)、できないというばかりでなく、手出し口出しをされた為に、 お子様が自分一人の力で行動したり、考えたりする機会が少なく、それ故自分の考えや行動に自信がなく、 不安で、できないこともあります。 例えば、自分から挨拶ができなかったり、「ありがとう」「ごめんなさい」が言えないのは、そういう場合が多いでしょう。「自分に自信がないので、他者に対して、自分を 表現することができない。」状況になっています。ご家庭では、元気よくできていても、外にでるとできないという内弁慶タイプは、まさしくそうです。しかし、ご家庭でできているということは、親の必要な係りがあるからこそであって、あと1歩、自信をつけ、精神力をつけることによって、できるようになっていくでしょう。 そのために、前記に挙げた項目を活用してください。1つ1つ自分で考えてできるよう になっていけば、必ず自信になっていきます。また、自分を表現するのがへたなお子様の場合は、もっとお子様の気持ちや、考えに目を向け、受け入れてあげましょう。「ちょっと違う。」「これでは、失敗する」 と思っても、一旦は受け入れることが大切です。但し、「わがまま」は通さないこと。一旦決めたことは、どんな理由があっても、必ず「させる」こと。 就園前のお子様は、先々のこと、その年齢になったら、できるようになるもの、と思わないで、「今から できることは何だろう。」「できるためには、どのように係わっていくのが良いのだろう。」と考え、実行 していく周りの大人の力と気持ちが大切です。「今日から自分の荷物は自分で持ってね。」という大人の都合は、子どもには通用しません。 1,2回は、「さすが、おにいちゃんね。」などという褒め言葉に乗 せられて、持つでしょうが、結局グズグズ言い出す日がきます。そして、親子バトルになり、子どもを不安にさせます。そうならない為には、「気がつけば、それが当たり前のこと」になっているのが望ましいのです。物事が少しずつ理解できるようになる1歳過ぎから、2歳までがポイントで、この時期に、うまく係われると、子どもにとって、「当たり前のこと」になります。 もしも、この記事を読んで、今からで も頑張ろうと思われる場合は、勝手に親が押しつけるのではなく、お子様に話して、先に約束をさせます。 例えば、「今から、〜に着くまでは、自分で荷物を持ってほしいんだけど、いいかな?帰りはママが持つ からね。」と、相談して約束事を決めます。そして、一旦決めたことは、いくらゴネても、守らせるよう にし、できたなら、たくさん認める言葉を掛けてあげましょう 。同じ状況を何度か続け、次の段階に進む 時には、前にできたことをきちんと伝え、「次の段階にチャレンジしよう!あなたなら、できるから。」 と、子どもを信頼する言葉を伝えましょう。信頼されると、どんどん強く前向きになっていきます。 |